blog.鶯梭庵

二〇〇七年 師走 十七日 月曜日

ユダヤ教のクリスマス [/language]

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12月25日は多くの日本人がクリスマスを祝うが、クリスマスというのは周知の通りキリスト教のお祭りだ。しかし近年では、日本に限らず多くの国で、この手のお祭りはビジネスチャンスとなっており、消費者はあらゆる地域や宗教の記念日を祝うように踊らされている。(バレンタインデーには女性から男性へチョコレートを贈るというのは日本の菓子メーカーがでっち上げた習慣だ。最近の日本ではハロウィンや恵方巻が全国的になっている。)

アメリカは基本的にキリスト教徒の国なので、今の時期は国中がクリスマス一色となり、ほとんどすべての家が電飾で飾られる。しかし、敬虔なユダヤ教徒はクリスマスを祝わない。ニューヨーク周辺はユダヤ人が多いので、住宅地の中にひっそりと静まり返った家が散見される。そうすると、あそこはユダヤ教徒の家だということが分かるわけだ。

そうは言っても、現在のクリスマスは単なるキリスト教徒のお祭りではなく、多くのビジネスにとっていちばんの稼ぎ時である。そこで、この時期のことは Christmas season ではなく Holiday season と呼ばれ、キリスト教徒でなくとも、家族や友人や、あるいは自分にプレゼントを買わなければならないような雰囲気が形成される。

そのような人たちがユダヤ教徒を見逃すはずはない。都合のよいことに、ユダヤ教でエルサレム神殿の奪還を記念した神殿の清めの祭り Hanukkah(Chanukah、Hanukah とも・ハヌカー)が、たまたま12月にあたっている。そこで、クリスマスプレゼントならぬハヌカープレゼントを贈る風習が一部のユダヤ教徒のあいだに広まっているようだ。"Happy Hanukkah" と書かれた「クリスマスカード」も見たことがある。

ナオさんのコメント:
お久しぶりで、

アメリカでは自分にも買わなければいけない!
みたいな風習になってきてるんですか、
そういう人は自分にカードを送るんだろうか・・・なんてことを考えてしまう。
どうなんでしょう?

羽鳥さんのコメント:
アメリカでは、クリスマスというのは家族で過ごすもので、雰囲気としては日本のお正月にあたります。ホリデーカードは日本の年賀状みたいなものです。プレゼントは家族同士で交換するのが普通です。
自分にプレゼントを買うのは、むしろ日本人ですね。

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二〇〇七年 霜月 二日 金曜日

折り紙 pangram [/language]

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日本にはすべての仮名を1度ずつ使う「いろは歌」があるが、似たようなものは世界中にある。英語では、26のアルファベットすべてを少なくとも1度ずつ使った文を pangram という。日本語と違って文字と音節が対応していないので、すべての文字をちょうど1度ずつ使って意味のある文を作るのは極めて難しい。

Wikipedia の pangram の記事にもたくさんの例があるが、最近 origami-l でも話題になった。そこで私も作ってみた。

A quick origami pixy valley-folds Jewish blintz.

主語を複数形にしたほうがリズムがよいのだが、これだと a で始まり z で終わる。

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二〇〇七年 長月 廿一日 金曜日

古典語由来の複数形 [/language]

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ラテン語と言えば、ラテン語由来の英単語では、名詞の複数形が s で終わらないことがある。

もっともよく見かけるのは、-us が -i となるものだ。alumnus((男性の)卒業生)-> alumni、locus(場所)-> loci、nucleus(核)-> nuclei、radius(半径)-> radii、stimulus(刺激)-> stimuli などがある。

このような言葉には、やはりインテリが使う言葉が多い。focus(焦点)の複数形は、「正しく」は foci だが、一般的に使われているうちに focuses の方が多くなっている。

alumna((女性の)卒業生)-> alumnae など、-a が -ae となるものもあるが、これはほとんどが専門用語だ。やはり、一般的に使われるようになると、単に s がつくようになる。cicada(蝉)の複数形は、cicadae よりも cicadas のほうがよく使われる。antenna の複数形は、昆虫などの触角の意味では antennae が多いが、電子部品のアンテナの意味では antennas が多い。

curriculum -> curricula のように、-um が -a になるものもあるが、ほとんどはそのまま s をつける。forum の複数形は「正しく」は fora だが、現在では forums と言うことのほうが多い。medium -> media は、複数形が特別な意味でよく使われるので、-a の形が残っている。

ギリシャ語由来の名詞にもこのような例がある。criterion(基準)-> criteria、polyhedron(多面体)-> polyhedra、mythos(神話)-> mythoi などだ。

-is が -es となるものには、ギリシャ語からラテン語を経由して英語に入った言葉が多い。特に単数形が -sis で終わっていると、-sises とはしづらいので、よく使う言葉でも -ses のままだ。analysis(分析)-> analyses、basis(基礎)-> bases、crisis(危機)-> crises などがある。

ギリシャ語からラテン語を経由した言葉では、語幹が変化するように見えるものがある。helix(螺旋)の複数形が helices となるのは、語尾の x がもともと cs だったところに、-s を -es に変えて複数形にするからだ。同じような例としては chrysalis(蛹)-> chrysalides などがあるが、さすがにこれは現代人には分かりにくく、helixes、chrysalises と言うことも多い。

octopus(蛸)の複数形は、octopuses、octopi、octopodes の3通りがある。octopodes が「正しい」形だが、ほとんど使われない。octopi は -us -> -i を誤って適用したもので、それなりに使われる。しかし、もっともよく使われるのは octopuses だ。

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二〇〇七年 長月 廿日 木曜日

i.e. と e.g. [/language]

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i.e. と e.g. は、英語でもよく使われるが、元はどちらもラテン語だ。

i.e. は id est の略であり、英語に訳せば that is、日本語に訳せば「すなわち」となる。

e.g. は exempli gratia の略であり、英語に訳せば for example、日本語に訳せば「たとえば」となる。

この両者を取り違える間違いは、プロの翻訳者にも多いのだが、ネイティブが英文を書くときにも間違えることがある。かつては英語圏のインテリにとってラテン語は必須の素養だったのだが、最近はそうでもなくなっているようだ。かく言う私も漢文ができるわけではないのだが。

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二〇〇七年 葉月 廿六日 日曜日

deceptively [/language]

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今週号の TidBITS で私が翻訳を担当した記事「Lights Off で iPhone の灯を消そう」の中に、次のような文があった。

the free Lights Off provides a deceptively simple set of puzzles to solve.

この中の "deceptively" という単語は「人を欺くように」という意味だから、"deceptively simple" というのは、「人を欺くように簡単」だということになる。これは、理屈で考えれば「一見すると複雑に見えるが実は簡単」という意味になるが、ここでは、文脈を考えると、「一見すると簡単に見えるが実は複雑」という意味で使っているようだ。

英英辞典によると、この単語の使い方についてはネイティブのあいだでも混乱があるそうだ。"The pool is deceptively shallow." という文があったとき、50% の人は「このプールは見かけよりも浅い」と解釈するが、32% はその逆に「このプールは見かけよりも深い」と解釈する。残りの 18% は、どちらの意味にも取れると考えるのだそうだ。

そういうわけなので、この言葉を使うと、半数の人に誤解されるおそれがある。どちらの意味になるのか文脈から特定できない限り、この単語を使うべきではないと説明されている。

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羽鳥 公士郎