blog.鶯梭庵

二〇一二年 長月 廿九日 土曜日

iTunes の音質を向上: BitPerfect [/mac]

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iTunes の音は、長時間聞いても疲れないように、高音と低音を抑えているそうだ。そのため、薄皮を一枚かぶせたような、ややこもった音になっている。音楽を BGM として聞く分にはそれでよいのだろうが、音楽をちゃんと聞こうと思ったら、物足りない。

ビットで記録されているデジタル音声データを、iTunes のように加工することなく、そのまま DAC(デジタル-アナログコンバーター)に出力することを「ビットパーフェクト」と言う。iTunes でビットパーフェクト再生を可能にするソフトウェアが、その名も BitPerfect だ。

BitPerfect を立ち上げてから iTunes を起動すると、BitPerfect が iTunes のデータを横取りして、加工せずに出力してくれる。厳密にビットパーフェクトになっているかどうかは知らないが、音質は確かに向上する。薄皮がはがれたような、鮮明な音になる。

設定によってはアップサンプリングなどもできるが、よほど高級な DAC を使っていない限り、デフォルト設定のままでよいと思う。

現時点では AirPlay に対応していないが、Airfoil を使えば、BitPerfect の音声を無線で飛ばすことができる。

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二〇一二年 長月 六日 木曜日

トラックパッドを使いやすく: BetterTouchTool [/mac]

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私の iMac には Magic Trackpad がつながっている。Snow Leopard では、2本指で下にスワイプすると上にスクロールする。ホイールマウスのホイールを下に回転させるのと似た動きなので、ホイールマウスから乗り換えるときには違和感がない。

ところが Lion 以降では、2本指で下にスワイプすると下にスクロールするようになった。これは、iOS でのスクロールに似た動きなので、iPhone から乗り換えるときには違和感がない。しかし、Snow Leopard から Lion に乗り換えると、これが問題になる。

私の MacBook は Lion で動いているが、私は iPhone も使っているので、Lion のスクロールにはすぐに慣れた。しかし、iMac では引き続き Snow Leopard を使っているので、このスクロール方向を逆にして Lion に合わせないと、頭が混乱する。

これを実現するソフトが BetterTouchTool だ。Snow Leopard でスクロール方向を逆にする設定は、「Advanced」ボタンを押すと表示される「Trackpad」タブの中にある。上下だけでなく左右も入れ替えれば、Lion および iOS と同じように全方向にスクロールできる。

また、アプリケーションによっては、3本指で上にスワイプするとページの一番上に移動し、下にスワイプするとページの一番下に移動することがある。それぞれ、Home および End キーと同じ動作だ。これは便利だが、使えないアプリケーションも多いし、なにより、スクロール方向を逆にしたのなら、上にスワイプして End、下にスワイプして Home としないとつじつまが合わない。

これも BetterTouchTool で設定できる。「Gestures」タブの「Trackpad & Tablets」タブで、ジェスチャーを追加してからアクションを割り当てればよい。

Home と End のほかにもさまざまなアクションを割り当てることができるが、あまりたくさん割り当てても覚えきれないので、よく使うアクションに限って割り当てるのがよいと思う。

なかでも私が便利だと思うのが、ウィンドウを画面の半分の大きさにするというアクションだ。私は4本指のスワイプに割り当てているが、ウィンドウを画面の端に持っていったときに自動的に画面の半分にすることもできる。これは Windows 7 で標準の機能となっており、Mac でできないのは寂しいと思っていた。

Mac はもともと、ウィンドウの大きさを変更する手段が Windows に比べて限られている。Lion になって、やっとウィンドウのどの縁でもドラッグして動かせるようになり、Window XP に追いついた。しかし、BetterTouchTool を使えば、Windows 7 に追いつかせることができる。

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二〇一二年 文月 廿日 金曜日

Mac の起動音を小さく: MuteCon [/mac]

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Mac を起動すると「ジャーン」と音がするが、実はあの音には意味がある。Mac に限らず、たいていのコンピュータでは、電源を入れたときに POST(Power On Self Test)というテストが実行される。コンピュータを本格的に動作させる前に、ハードウェアに問題がないかどうかテストするのだ。「ジャーン」という音は、このテストに合格したことを示している。テストに失敗すると、違う音がするらしい(私は幸い、聞いたことがないので、どんな音なのかは知らない)。

そういうわけで、この音を完全に消してしまうのは好ましくないのだが、かといって大きな音で鳴るのもうっとうしい。起動音の音量を自由に制御できたらうれしい。

Mac にヘッドホンや外部スピーカーを常につないでおり、内蔵スピーカーを使わないというのであれば、簡単な方法がある。ヘッドホン端子につなぐものははずしておいて、「システム環境設定」→「サウンド」→「出力」を開く。「サウンドを出力する装置を選択」で「内蔵スピーカー」を選んで、「主音量」を小さめに設定する(起動音を消したければ「消音」にチェックを入れてもよいが、前述の通り、私はお勧めしない)。次に、「サウンドを出力する装置を選択」から普段使う出力装置を選ぶか、ヘッドホン端子につなぐ出力装置を接続し、「主音量」を好みの大きさに設定する。これでおしまい。主音量をいくら変更しても、内蔵スピーカーの音量は最初に設定した小さい値のままなので、起動音も常に小さくなる。

では、内蔵スピーカーも使う場合はどうか。内蔵スピーカーから音を出力するときに音量を上げてしまうと、次に起動するときの起動音も大きくなってしまう。システム終了や再起動の前に音量を下げればよいのだが、いちいち手動で調節するのは面倒だし、忘れることだってあるだろう。そういう作業はソフトウェアにやらせるべきだ。

そのような作業をしてくれるソフトウェアは従来からいくつかあるが、Lion に対応しているものとしては、MuteCon がある。

ダウンロードしたら、アプリ本体を「アプリケーション」フォルダにコピーして、ダブルクリックして開くと、メニューバーの右側にアイコンが表示される。そのアイコンをクリックして「環境設定」を選択し、「終了時に音量を調整」にチェックを入れて音量を小さめにしておく。

設定が終わったら、このアプリをログイン項目に入れておくとよい(「システム環境設定」→「ユーザとグループ」→「ログイン項目」)。そうすれば、後は何も操作する必要がない。システムが終了するときには、このアプリも終了するので、音量が自動的に小さくなり、起動音も小さくなる。

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二〇一二年 文月 十一日 水曜日

Lion で親指シフト: KeyRemap4MacBook [/mac]

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私は昔から、親指シフト入力を使用している。Mac OS X で親指シフトと言えば、かつては Tesla を使うのが定番だったが、これは Mac OS X 10.3 Panther 版を最後にアップデートされていない。野良ビルドがあって、Lion にも対応しているが、Tesla はシステムの中心に近いところで動作するカーネル機能拡張なので、野良ビルドをインストールするのはやや不安だ。

iMac には親指シフトキーボード FKB8579-661EV(すでに生産終了)をつないでおり、このドライバである NicolaK は Lion に対応しているが、MacBook は外出先でも使うので、キーボードを一緒に持ち歩くわけにもいかない。

そこで親指シフト配列のエミュレーターを探してみると、KeyRemap4MacBook が見付かった。これはキーバインドをさまざまに変更できるツールで、親指シフト用の設定もあらかじめ用意されている。ユーザーインターフェースは分かりやすいとは言えないが、「For Japanese」「Change Keyboard Layout」「Oyayubi Shift Input」の下に親指シフト用の設定項目がある。

ほかにもたくさんの設定があるが、私が使っているのは「Shift + Delete to Forward Delete」だけ。

現在の Mac の日本語用キーボードは 親指シフトには向いていないと思うのだが、デスクトップでは引き続き FKB8579-661EV を使うので、問題はないだろう。

河童本舗さんのコメント:
通りがかりの河童です。
私は、PowerBookG4 867/15 M8858J/A[MacOS X 10.4.11(Tiger)]で「TESLA野良ビルド」使ってます。去年5月からWin7にThumb Touch FKB7628-801を繋ぎ「やまぶきR」とMicrosoft Office IME 2010の組み合わせで純正親指シフト入力していますが、遜色ないくらいです。
MacOS 9.2.2以前は、Dboard+pineappleからRboard Pro for Macまで外付け親指キーボードに拘りましたが、野良ビルドには満足しています。
デスクトップのMacは長らく使ってませんが、やっぱりだめですか(-.-;)
暇があったら、こちらにもおいでください。それでは。
http://blog.livedoor.jp/kappahonpo/

羽鳥さんのコメント:
河童本舗さん、コメントありがとうございます。
私もPowerBook G3ではTESLAで快適に入力していました。今のMacBook Airは、デスクトップと同様に「かな」キーが右にずれているので、長時間日本語をタイプするのはきついと思います。MacBookでは短い文章しか打たないので、今のところは大丈夫ですが。

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二〇一二年 水無月 廿四日 日曜日

Mac OS X におけるユニバーサルデザイン [/mac]

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Mac OS X には「ユニバーサルアクセス」という機能がある。この機能は、主に障碍者が Mac を使えるようにするためのものなので、一般にはあまり知られていないかもしれない。しかし、ユニバーサルデザインというのは一般に、障碍者のみならず健常者にとっても便利なものだ。Mac のユニバーサルアクセスも例外ではない。

「システム環境設定」から「ユニバーサルアクセス」を開くと、いくつかのタブが並んだ画面が開く。この中には、知らずにいるともったいない機能がいくつかある。

まず、「視覚」パネルを開いて、「ズーム機能」の「別ウインドウで拡大」を選択する。そうしておくと、command + option + 8 キーを押したときに、ポインタの周囲の画面が拡大される。ウェブページの画像の中に小さな文字があるときなど、まるで拡大鏡を使うように画面の一部を拡大できる。もう一度 command + option + 8 キーを押すと、拡大画面が閉じる。

「別ウインドウで拡大」の隣にある「オプション」ボタンを押すと、拡大率や拡大画面の大きさなどを調節できる。また、オン・オフを切り替えるショートカットキーは、「システム環境設定」→「キーボード」→「キーボードショートカット」→「ユニバーサルアクセス」から変更できる。

「聴覚」パネルでは、「警告音が鳴るときに画面を点滅させる」にチェックを入れておくとよい。警告が音だけでなく視覚的にも示されるので、音量を小さくしているときやミュートしているときにも警告に気付くことができる。

さらに、「マウスとトラックパッド」で、「option キーを 5 回押してマウスキーの入/切を切り替える」にチェックを入れておく。マウスキーを有効にすると、キーボードを使ってポインタを動かすことができる。テンキーがあるなら、8、4、6、2 のキーを押せば、ポインタがそれぞれ上、左、右、下に動く。7、9、1、3 のキーでは、それぞれ斜めの方向に動く。そして、5 がクリックとなる。0 を押すとクリックしたままの状態になり、小数点で解除できる。テンキーがない場合、キーボードの 7、8、9 とその下に並んでいるキーを使う。つまり、M、J、K、L、U、I、O がそれぞれ 0、1、2、3、4、5、6 に対応する。

マウスキーは、何らかの理由でマウスやトラックパッドが使えなくなったとき、たとえば Bluetooth デバイスの電池が切れたときの応急処置として利用できる。また、ポインタをピクセル単位で動かしたい場合に、とても便利だ。折り紙の折り図を描くなどのグラフィック用途で、ポインタを細かく動かすために使うこともできる。

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羽鳥 公士郎