二〇一二年 葉月 廿六日 日曜日■ 折り紙の講習と著作権・その2 [/origami]この記事は書かれてから1年以上経過しています。内容が古くなっている可能性があります。コメントの受付は終了しました。 その1で、音楽教室に関する著作権が曖昧であることを指摘した。しかし、はっきりしていることもある。音楽教室では楽譜をコピーしてはいけない。生徒が1人1部ずつ楽譜を買わなければならない。これは法的には明確だが、実際には著作権に関する意識が低い人がいて、今でもコピーが横行しているらしい。 折り紙についても同様で、折り紙を教えるのに折り図をコピーしてはいけない。しかし、実際には児童館などでコピーが横行しているらしい。こんなところまで音楽と似ている。 そうは言っても、折り紙と音楽には違いもある。音楽の場合、楽譜を1曲単位で買うことができる。ところが折り紙の場合、作品ごとの折り図が買えるということはめったにない。折り紙の本には、たいてい数十点の作品が掲載されている。その中の1つか2つの作品を教えるのに、受講者全員が本を1冊ずつ買わなければならないとするのは、個人的には要求が厳しすぎると思う。 音楽の場合、楽譜が1曲から買えるのは、それだけの市場があるからだ。折り紙でそれをしようとすれば、印刷物による出版ではコストがかかりすぎるだろう。しかし、今ではデジタル出版のコストが下がっているので、音楽における iTunes のような折り図販売システムを作ることが可能だろう。これが実現すれば、創作者は胸を張って「折り図を買ってください」と言えるようになるだろう。 ただし、学校の授業では、教えるための複製が認められている。とは言え、音楽の教科書を丸ごと1冊コピーすることはできないし、スコアリーディングを教えるためにオーケストラのスコアをコピーするというのも駄目だろう。日本の著作権法では、学校の授業における複製には「当該著作物の種類及び用途並びにその複製の部数及び態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない」という但し書きがついている。 米国の著作権法では、教えるための使用は "fair use" に含まれるとされる。そのため、法律上の規定はなく、やはり日本と同様に各種の事情を勘案することになる。その考慮事項の1つとして、おおむね出版物の10%までコピーできると言われることが多い。この条件は絶対的なものではなく、他の事情と照らされることになるが、たとえば学術雑誌の論文を1本丸ごとコピーするというのは、大抵の場合問題にならない。本の1章丸ごとだと、ボーダーラインになる。 これを折り紙に当てはめれば、学校の授業ならば、本の中から1つの作品の折り図を丸ごとコピーするのは問題ないということになるだろう。ただし、クラブ活動は授業に含まれないそうだ。 |
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