二〇一二年 葉月 廿五日 土曜日■ 折り紙の講習と著作権・その1 [/origami]この記事は書かれてから1年以上経過しています。内容が古くなっている可能性があります。コメントの受付は終了しました。 先日、といっても1か月以上経ってしまったが、折り紙作品利用のガイドラインを作った。その後、折紙探偵団コンベンションで著作権について講習したり、折り紙の国際著作権会議があったり、origami-l で著作権の話題が盛り上がったりして、あのガイドラインを見直すことにした。 そう思って調べ直してみると、興味深いことに気がついた。折り紙においては、作品の講習をしてよいかどうかというのが問題になるのだが、著作権法には講習権のようなものがない。 通常の著作物なら、教えるときに、特定の著作物をお手本にすることはあっても、著作物を直接使うことはない。文章の書き方教室で漱石の「坊ちゃん」の書き方を講習するとか、絵画教室でモネの「睡蓮」の描き方を講習するということは、ほとんどない。 しかし音楽の場合、カラオケ教室とか音楽教室では、誰かが作曲した曲を使って教えている。折り紙教室でも、誰かが創作した作品を使って教えるのだから、音楽と折り紙は同じ構造をしている。創作された折り紙作品が著作物かどうかははっきりしないが、作曲された楽曲は確かに著作物だ。それならば、音楽教室で楽曲を教えることについて著作権の規定があってもよさそうだが、実際のところそのような権利は定められてない。また、JASRAC のウェブページを見ても、あるいは JASRAC の使用料規程(PDF)を見ても、音楽を教えるために使用するための手続きは見当たらない。 もっとも、カラオケ教室の場合、カラオケ装置を使って楽曲を演奏するので、カラオケボックスなどと同じ使用料が適用される。してみると、ピアノ教室やバイオリン教室でも、教えるためには楽曲を演奏するから、演奏権が適用されるのかもしれない。それにしても、使用料が規定されていないのは奇妙だ。 私が勝手に想像するに、これは著作権法の不備であろう。歴史的に言えば、著作権は出版された書籍を複製から守るものとして始まった。音楽について言えば、もともと著作権で保護されていたのは出版された楽譜であって、作曲された楽曲は後から著作権の体系にはめ込まれた。しかし、はめ込んだ後の地ならしがまだ不十分なので、音楽教室は法的に曖昧な状態になっているのだろう。法律に規定がなければ、JASRAC も使用料を請求できない。 音楽ですら著作権法にぴったりはまっていないとすれば、折り紙がはまらないのも当然だろう。 その2に続く。 |
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