二〇一二年 文月 十七日 火曜日■ 折り紙作品の著作権と展示権と譲渡権 [/origami]この記事は書かれてから1年以上経過しています。内容が古くなっている可能性があります。コメントの受付は終了しました。 一昨日の記事で、折り紙の作品の展示権について検討し、「制作者に展示権があると解釈することが妥当であるように思う」と結論した。それに対し、「もう少し検討が必要と思います」とのコメントをいただいたので、昨日半日かけて検討してみたところ、やはりこの結論には問題があると思うようになった。 制作された折り紙作品の所有権を考えた場合、展示だけでなく、所有権の移動そのものが問題をはらんでいる。著作物の所有権の移動については、著作権法第二十六条に譲渡権が定義されていて、著作者の許可がなければ作品を公に譲渡できないが、一度作品が正当に譲渡されれば、その時点で譲渡権は消尽するとされている。譲渡権が消尽しなければ、例えば写真集を買った人は、それを古本屋に売るときに、写真家の許可を得なければならなくなる。 したがって、美術の著作物は、一旦譲渡されると、その著作物の所有者が、著作者の許可なく作品を展示したり売却したりすることができる。 通常の美術作品や写真が対象である限り、これが問題になることはないだろう。通常の美術品の場合、原作品の最初の所有者は著作者と一致するに違いないから、最初の譲渡は、著作者あるいは著作者が委託した人が行うことになるだろう。写真の場合、発行に際して複製が行われるが、その複製は、著作権法第三条により、複製権を有する者またはその許諾を得た者が行わなければならない。どちらの場合でも、著作者があずかり知らないところで最初の譲渡が行われることはない。 ところが折り紙の場合、折り紙の著作権をどのように主張するにせよ、現行の著作権の枠組みにとどまる限り、私的範囲で折り紙作品を制作する際に創作者の許可を求めることはできないから、創作者の許可を得ずに折り紙作品を制作して友人にプレゼントすることを禁止することはできない。また、それを無理に禁止すれば、折り紙が窮屈になりすぎると思う。そうなると、展示権や譲渡権の規定をそのまま当てはめれば、創作者の許可なく制作された作品を受け取った人が、創作者の許可なく、その作品を展示したり販売したりできることになってしまう。創作者が一切制御できないような作品の展示や販売を許すことは望ましくない。 そのため、ここは著作権法の文面から離れざるを得ないが、一方で著作権法の精神は最大限に汲み取るべきだし、私としては折り紙の美術としての発展も望むので、譲渡権の消尽や所有者の展示権を否定することは好ましくないと思う。創作者と制作者両方の許可を受けて譲渡された作品に限り、所有者が展示または譲渡できるとするのが適当だろう。 では、制作者自身が展示する場合はどうか。この場合は、創作者に複製権か上演権があるとすれば、制作者が公に展示する場合には創作者の許可が必要だとすることができる。 その場合、折り紙コンベンションでの展示を許可する理屈が必要だが、折り紙作品の制作が上演や演奏に相当すると考えれば、著作権法第三十八条で、営利を目的とせず、かつ観衆から料金を受けない公の上演が認められているから、これを援用することができるだろう。折り紙作品の制作が複製だとした場合、本来は創作者の許可が必要だが慣例として認められているとすればよいだろう。 SNさんのコメント: |
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