二〇〇八年 文月 一日 火曜日■ Music Tomorrow 2008 @ 東京オペラシティコンサートホール [/music]この記事は書かれてから1年以上経過しています。内容が古くなっている可能性があります。コメントの受付は終了しました。 毎年恒例、NHK 交響楽団のコンサートシリーズ。今年の指揮はジャン・ドロワイエ。 1曲目は西村朗「幻影とマントラ」(2007・尾高賞受賞作品)。日本初演は昨年、同じホール、同じオーケストラでおこなわれ、私も聞いたが、指揮者が違うせいか、はたまた2度目に聞くせいか、3つの楽章の肌触りの違いがくっきりと感じられた。冒頭、死を暗示する打楽器の音で始まり、息もつかせず次々と幻影が表れる第1楽章、弦楽四重奏と弦楽合奏、ハープのみで緩やかに変化してゆく第2楽章、そして西村らしい光が満ちる第3楽章。 2曲目はマグヌス・リンドベルイ「フェリア」(1997・日本初演)。このタイトルは野外の定期市を意味するスペイン語だそうで、管楽器が活躍する祝祭的で分かりやすい音楽。 3曲目は原田敬子「エコー・モンタージュ」(2008・世界初演)。作曲者によれば、「エコー」とは echo であると同時に eco(生態 = 演奏家)、「モンタージュ」とは異なる要素が集まって統一的に感じられるものという意味だということで、その通り、個々の楽器からも、オーケストラ全体からも、さまざまな音形が入れ替わり立ち替わり生み出されるが、統一感があったかどうかは疑問。客席2階にも演奏者を配するというのは、今では珍しくないが、この曲では非常に効果的だった。同じ楽器でも演奏位置が変わると違う響きがするのは不思議だ。 |
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