二〇一四年 皐月 卅一日 土曜日■ 原発と核武装・その3 [/links]この記事は書かれてから1年以上経過しています。内容が古くなっている可能性があります。コメントの受付は終了しました。 その2から続く。 その東海再処理工場は、1974年に完成したが、やはりトラブル続きで、77年から稼働する予定になった。そこに米国が待ったをかけた。68年に結んでいた日米原子力協定をたてに、日本が兵器級のプルトニウムを手に入れることを防ごうとしたのだ。しかし、日本は純粋なプルトニウムを得ることにこだわった。最終的に、いくつかの条件付きながら、米国は日本がプルトニウムを単体で取り出すことを認めた。そして77年11月、日本はついにプルトニウムを抽出し、「潜在的核武装能力を持った」。 現行の日米原子力協定は、1988年に結ばれている。これは、30年のあいだ、天然ウランの濃縮から、使用済み燃料の再処理、プルトニウムを使った核燃料の生産までを日本に認める内容であり、当然米国内では反対があったが、中曾根政権とレーガン政権がこれを成立させた。日本は、非核保有国としては唯一、プルトニウムを取り出して使用できる国になった。「日本は核なき核大国となった」。 有馬は、「それを使うにせよ、使わないにせよ、カードは持っておく必要がある」と述べ、日本は潜在的核戦力としての原発を保持するべきだと示唆している。確かにそれは1つの見識だ。さらに言えば、日本が原発を保持すべきそれ以外の理由は、私には思いつかない。とは言うものの、日本の原子力の歴史は、隠蔽の歴史でもある。トラブルや事故が多く、それらがことごとく隠蔽されてきた。世界の原発保有国でメルトダウンを起こしたのは、旧ソ連と日本だけだ。官僚が支配しガバナンスが欠如している国が原発を稼働させることが極めて危険であることは、事実によって証明されている。 有馬が指摘するように、現在の日本では、プルトニウムが余っている。そして、これは有馬が述べていないことだが、現在のプルトニウムの量は日米原子力協定の改定の条件を満たしていないと言われている。協定の改定時期は2018年に迫っている。それまでにプルトニウムを減らさない限り、改定できないか、少なくとも改定が難航する。改定できなければ、米国からウランを輸入することはできない。日本政府が原発を再稼働しようとする短期的な理由は、ウランとプルトニウムを混合した MOX 燃料を原発で消費することで、プルトニウムを減らしたいからだ。 一方の米国は、今年1月に、日本に対し兵器級プルトニウムの返還を要求した。これは、日本が兵器級プルトニウムを大量に保持していることを国内外に認知させるとともに、日本に対して核武装(あるいは原発)をあきらめろというメッセージを送ったと理解すべきだろう。日本の核武装をめぐる日米の綱引きはまだ続いている。 |
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