二〇〇四年 霜月 廿三日 火曜日■ 誰のために折るのか・その3通りの回答 [/origami]この記事は書かれてから1年以上経過しています。内容が古くなっている可能性があります。コメントの受付は終了しました。 折り紙を折っている人に、誰のために折っているのかと聞いてみたとしよう。おそらく、以下の3つの回答(およびそれらの組み合わせ)がありうる。 まず、自分のために折るのか、他人のために折るかで、大きく分かれる。これは、アマチュアとプロの違いに相当する。アマチュアは、自分が楽しむために折る。プロは、他人を楽しませるために折る。 さて、料理の世界には、2種類のプロがいる。いわゆる料理人は、他人に食べてもらうために料理をする。それとは別に、いわゆる料理研究家という人たちがいて、かれらは他人が料理するためのレシピを作る。 この区別は、折り紙にも当てはまるだろう。一方では、自分が制作した折り紙を見てもらうために折り紙をする人がいて、もう一方では、自分が創作した折り紙を折ってもらうために折り紙をする人がいる。私は前者を志向しているが、前川さんや小松さんは後者を志向しているのだろう。 まとめると、誰のために折るのか、という問いに対して、自分のため、折る人のため、折らない人のため、という3つの回答がありうる。もちろん、どれが一番高級か、とか、どれが本当の折り紙か、などという問いには意味がない。どれもが折り紙であり、ただ態度の違いがあるにすぎない。 しかし、折らない人が一番多いというのに、折らない人のために折り紙をする人が少なすぎるとは思う。 関連記事: ・紙を折らない人にとって、折り紙作品とは何か [/origami] ・創作された作品と制作された作品 [/origami] ・紙を折らない人にとって、よい折り紙作品とは何か [/origami] |
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