二〇〇九年 水無月 十四日 日曜日■ カンマにご用心 [/language]この記事は書かれてから1年以上経過しています。内容が古くなっている可能性があります。コメントの受付は終了しました。 越前敏弥著『日本人なら必ず誤訳する英文 誤訳にもいろいろあるが、中でも意外に多いものに、and、or、not などの単語や句読点の用法の間違いがある。こういった文の構造を決める要素は、日本語の言葉と一対一で対応させることはできないので、英文法を理解していないと文の意味が取れない。 中でも句読点は、英語では決しておろそかにできないので注意がいる。日本語はそもそも句読点を必要とせず、単に読みやすくするためについているに過ぎない。漢文などは句読点がまったくついていないが、それでもちゃんと読める。しかし英語では、句読点のあるなしで意味が変わることがある。 最近もこんな「事件」があった。 Comma quirk irks Rogers @ The Globe and Mail 問題となっている契約書にはこう書いてある。 (The agreement) shall continue in force for a period of five years from the date it is made, and thereafter for successive five year terms, unless and until terminated by one year prior notice in writing by either party. この文はカンマで3つの部分に分けられている。第1に「この契約は締結日より5年間有効」とあり、第2に「その後は自動的に5年ずつ更新される」とある。そして第3の部分は「1年前に書面で通知することにより解約できる」という意味だ。 これを英語の文として解釈すると、第1の部分と第2の部分がひとまとまりになって、第3部分はその2つに対する但し書きとなる。つまり、契約を結んですぐ解約すれば、1年後に契約は無効になる。 しかし、この契約書を書いた側は、2つ目のカンマがないつもりでいた。このカンマがないと、第3部分の但し書きは、第2部分にのみかかる。つまり、最初の5年間は解約できず、自動更新の期間になってから、書面により1年後に解約できるようになる。 相手方は、契約書を適切に解釈して,最初の5年間が経過しないうちに契約を打ち切り、料金を値上げした。おかげで、契約書を書いた側は、カンマを1つ余計に書いたがために、およそ2億円も多く料金を支払うはめになった。 英語においては、こういったものは決して些末な問題ではなく、意味を取り違えると内容が正反対になってしまうことも多い。 |
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