blog.鶯梭庵

二〇〇八年 霜月 十四日 金曜日

「簿記」の語源 [/language]

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英語に "bookkeeping" という言葉がある。日本語では「簿記」という。とある英和辞典を引いていたところ、「簿記は bookkeeping の音訳」という旨の記述があった。そんなこともあるものかと思って調べていると、これについて調べた小論文が見つかった。

簿記の語源について(PDF)

それによると、江戸時代にはオランダ語で書かれた簿記の本が日本に入っていたが、訳語はなくカタカナで表記していた。明治時代になると、「簿記」という訳語が使われるようになるが、その時代の英和辞典には「簿記」と訳しているものはないそうだ。そうなると、「簿記」が英語からの音訳だという説は、否定してよいだろう。

もちろん、日本には昔から日本式の簿記があったわけで、それは「帳合」と呼ばれていた。文部省および学校関係では「記簿」という言葉を使っていたが、そのほかの省庁では「簿記」と言うことが多かったようだ。大蔵省や銀行関係でも「簿記」が採用されたため、現在では「簿記」に統一されたということらしい。

では、「簿記」の語源はどこかというと、宋の時代の『唐書百官志』にこの言葉があるそうだ。もともと「帳簿に記入する」というぐらいの、今より広い意味の言葉であったものが、次第に "bookkeeping" の意味に限定されて使われるようになったらしい。その点からしても、「簿記」の音訳説は否定される。

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羽鳥 公士郎