二〇〇七年 如月 十日 土曜日■ 辞典は最低3冊 [/language]この記事は書かれてから1年以上経過しています。内容が古くなっている可能性があります。コメントの受付は終了しました。 昨日、こんな訳文をみつけた。 原文: Slide the tape drive into the drive bay until it is flush with the back of the Library. 訳文: テープ ドライブをドライブ ベイに挿入し、ライブラリの背面と面一になるまで押し込みます。 「面一」という言葉は初耳だったので、調べてみると、建築用語で、「つらいち」と読むそうだ。リーダーズ英和辞典に "flush" の訳語として載っていた。しかし、この文章はコンピュータ関係のマニュアルなのだから、いきなり建築用語を使うのは、誤訳と言うべきだろう。 おそらく翻訳者は、「面一」と言う言葉を知らず、英和辞典に出ているからといってそのまま使ったのだろう。しかし、書いている本人が理解していない文章を、読者が読んで理解できるはずがない。単語を置き換えるだけなら機械翻訳にもできる。機械翻訳の文章が読みにくいのは、コンピュータは英語も日本語も理解できないためだ。 英和辞典を引いて、耳慣れない言葉が出てきたら、その言葉を国語辞典で引いて、意味を確かめるというのが、最低限必要だ。「面一」というのは広辞苑に出ていない。したがって、この言葉を使ってよいのは、建築の専門家向けの文章だけだ。 また、似た言葉がいくつかあって、どれを選ぶか迷ったときにも、国語辞典が役に立つ。英語を日本語に訳すときは、英和辞典だけでなく、国語辞典を引く習慣をつけるとよい。 英和辞典を引いても適切な訳語が見つからない場合、英英辞典を引くとよい。たとえば "flush" なら、"Having surfaces in the same plane" という説明がある。そこで、"until it is flush" は、たとえば「面が揃うまで」と訳せる。 ついでに言うと、英語の単語は文脈によってさまざまに訳し分けなければならないことが多い。それを判断するのに必要な細かいニュアンスを知るのにも英英辞典が役に立つ。 そういうわけで、翻訳をするときには、辞典が最低3冊必要になる。かつては大きな辞典を机の上に置いていたのだろうが、今ではコンピュータの中に格納できるから便利だ。さらに、複数の辞典を一括で検索できるソフトウェアもある。私は Jamming を使って7冊の辞典を同時に引いている。 タトさんのコメント: |
カテゴリ
[/language] (98) 最新記事
◇ パスワードについてのあなたの常識はもはや非常識かもしれない・その1 [/links] |