二〇〇六年 如月 廿六日 日曜日■ Hope springs eternal [/language]この記事は書かれてから1年以上経過しています。内容が古くなっている可能性があります。コメントの受付は終了しました。 TidBITS#817 の記事 "Input Manager は悪魔の業か?" を訳していて、訳に困った箇所があった。"... and hope, while it may spring eternal, is not an effective security technique." という部分の "spring eternal" が問題だった。その前の "it" は "hope" に違いなく、"spring" は "may" の直後にあるから動詞に違いない。しかし、"eternal" は形容詞だ。spring の後に形容詞が続く例としては、「The door sprang open. ドアがパッと開いた。」という用法があるが、「希望はパッと永遠になるかもしれない」では意味が通らない。 そこでいろいろ調べてみると、英英辞典に "hope springs eternal" という項目があった。これは、18世紀前半に活躍した英国の詩人 Alexander Pope が 1732年に著した「人間論」の一節、"Hope springs eternal in the human breast" に由来する慣用句だそうだ。「希望は人間の胸に永遠に湧き続ける」と訳すことができる。(それらしく訳せば、「心は永遠なる希望の泉」とでもなろうか。「人の心の中に春よ、永遠に」と訳しているサイトがあるけれど、これは誤訳というべきだろう。) この言葉を「いついかなるときでも希望を捨ててはいけない」という肯定的な教訓と捉える人もいるようだが、TidBITS の記事では "may" がついているし、前後の文脈から考えて、シニカルに「人は見込みのないことでも願い続けるものなのかもしれないが、それでセキュリティが実現されるわけではない。」と訳してみた。 |
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