二〇〇五年 師走 十二日 月曜日■ カスタムできる? [/language]この記事は書かれてから1年以上経過しています。内容が古くなっている可能性があります。コメントの受付は終了しました。 現在 TidBITS#808 クリスマスプレゼント特集号を訳している。 この中に、"customizable" という単語が何度か出てくる。これは、"custom" が形容詞で、それに "-ize" がついて動詞になり、さらに "-able" がついて形容詞になったものだ。"custom" は日本語にしづらいので、カタカナで「カスタム」ということが多い。「カスタムアプリケーション」「カスタムカー」「カスタムテーラー」などという。すると、"customizable" は「カスタム化可能な」「カスタマイズできる」などと訳すことになる。 ところが、Google で「カスタムできる」と検索してみると、執筆時点で 9130件もヒットした。「カスタムした」で検索すると 26000件、「カスタムする」では 34000件もヒットする。 日本語では、形容詞に「〜する」をつける場合、連用形にしなければならないから、「カスタムにする」が正しい。「カスタムする」というのは、「静かする」「きれいする」と同じで、明らかに誤用だ。しかし、誤用がウェブ上に何万件もあるとなると、この用法はひょっとしてますます広まってしまうのかもしれない。どうしてこのような誤用が広まっているのかと考えると、3つ理由が考えられる。 第1に、「カスタム」が外来語であるために、形容詞ではなく名詞であると誤解されているのかもしれない。日本語では、名詞にそのまま「〜する」をつけて動詞にすることがある。だから、「カスタム化する」なら正しい。しかし、"custom" を名詞として使った場合、「風習」「習慣」「顧客」「税関」などの意味になり、「カスタム」の意味にはならない。これは単に、英語を知らない人が格好だけで横文字を使い、失敗した例といえるだろう。 第2に、「カスタム」が動詞であると誤解されているのかもしれない。横文字の動詞にそのまま「〜する」をつけることがある。"customize" は普通「カスタマイズする」と訳す。しかし、"customize" は動詞だが "custom" は動詞としては使えない。これも英語を知らないが故の誤用だが、「カスタム」が「u」で終わっているだけに、動詞であると勘違いしやすいのかもしれない。 第3に、「カスタム」が形容詞であることを知っていたとしても、「カスタムする」に違和感を感じない人がいるのかもしれない。形容詞の活用を考えると、連用形は「u」で終わる。「青くする」「美しくする」という具合だ。「カスタム」もやはり「u」で終わっている。それが違和感を多少とも和らげているのかもしれない。 そうはいっても、形容詞の連用形は必ず「く」で終わり、「む」になることはないのだから、「カスタムする」に違和感を感じない人は、日本語に鈍感だと言わざるを得ない。「カスタムくする」の方がまだましだ。 蛋白室工房さんのコメント: 羽鳥さんのコメント: バジルさんのコメント: |
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