二〇一一年 皐月 卅日 月曜日■ 福島原発事故について・その8 再臨界の可能性について [/links]この記事は書かれてから1年以上経過しています。内容が古くなっている可能性があります。コメントの受付は終了しました。 その7で、福島第一原発で核爆発が起きた可能性を指摘した。 核爆発は、起きたとしても3号機で1度だけだが、そこまで激しくない臨界は何度か起きている可能性がある。この可能性は、3月27日の時点で大前研一氏が指摘していた。今では地震後早い段階でメルトダウンが起きたことが明らかになっているが、溶けた核燃料が圧力容器や格納容器の底にたまって、ある程度の塊になると、再臨界が起きる。 再臨界が起きると爆発するはずだと思う人がいるかもしれないが、そうではない。臨界が続くには核燃料の形が重要で、臨界によって発生したエネルギーによって核燃料が飛び散ってしまえば、臨界は自然に止まる。しかし、核燃料がまた集まってくれば、また臨界が起きる。 1号機の原子炉では、このような一時的な臨界が繰り返されている可能性がある。東京電力は、地震直後の数日間、福島第一原発の敷地内で中性子を観測している。また、3月25日に1号機周辺の水から放射性塩素が検出されている。そして、最近でも、1号機の格納容器では放射線量が急激な増減を繰り返している。 放射性塩素については、東京電力は誤りだったとしてデータを撤回しているが、このデータが正しいとすると、Dalnoki-Veress 氏が分析しているように、再臨界が起きたと考えなければならない。また、格納容器内の放射線量についても、東京電力は計器の故障だとしているが、本当のところは分からない。 臨界はほかの場所でも起きている可能性がある。たとえば4号機の使用済み燃料プールでは、4月13日に放射性ヨウ素が検出されている。放射性ヨウ素の半減期は短いから、地震の後で核反応が起きた可能性がある。ほかの理由も考えられるので、これが直ちに臨界の証拠にはならないが、4号機は点検中だったので、燃料プールには使用済み燃料だけでなく使用中の燃料があったし、水素爆発が起きていることから、燃料プールが地震で破損して水が漏れていると考えられるので、臨界が起きたとしてもおかしくはない。また、3号機の原子炉の温度が上がっているのも気になる。 臨界が起きているかどうかは、東京電力なり政府なりがさまざまな測定を行ってデータを公表すれば、もっとはっきりしたことが言えるようになると思うのだが、データは少なすぎるし遅すぎる。そうなると、東京電力や政府がデータを隠していると多くの人が思うのは当然だ。 東京電力は、最近になっても原子炉に注入する水にホウ素を加えている。ホウ素は臨界を防ぐためのものなので、東京電力は少なくとも臨界の可能性があると認識していることになる。 ただし、仮に臨界が起きているとしても、それによって何かが大きく変わるということはない。ただ、熱が大量に出るので冷やすのが大変だというだけだ。東京電力の工程表は実現できなくなるだろうが、そもそもあれが実現可能だと思っている人がどれだけいるだろうか。 その9に続く。 |
カテゴリ
[/language] (98) 最新記事
◇ パスワードについてのあなたの常識はもはや非常識かもしれない・その1 [/links] |