blog.鶯梭庵

二〇〇七年 長月 二日 日曜日

第17回芥川作曲賞選考演奏会 @ サントリーホール [/music]

毎年恒例のコンサートだが、今年は、一昨年に芥川賞を受賞して委嘱作品が演奏された斉木由美と、候補者となった土井智恵子、山根明季子、小出稚子の4人が、いずれも女性となった。しかし、女性作曲家ということで一括りにしてはいけない。4人の曲はいずれも非常に個性的だった。

どの曲もオーケストレーションがすばらしく、完成度が高かったが、私は連日の寝不足のため、最初の3曲、斉木の「アントモフォニー VI」、土井の「波跡」、山根の「水玉コレクション」をうつらうつらしながら聞いていた。

しかし、小出の「ケセランパサラン」が始まると、目が覚めた。オーケストラの各楽器がさまざまな特殊奏法を繰り広げるだけでなく、コンサートマスターが空気鉄砲のようなものでポンポン音を立てるなど、各奏者がさまざまな非楽器に持ち替えて演奏する。「こんなことをしたら面白いだろう」ということが思いきり詰め込まれている。それでいて曲がばらばらにならずに、最初から最後まで1つのかっちりとした姿を保ち続けている。これはすごい才能と出会えた、と思いながら聞いていた。

3人の審査員、池辺晋一郎、一柳慧、原田敬子も、全員一致で小出の曲を芥川作曲賞に選んだ。

しかし、これが小出の初めてのオーケストラ作品だそうだ。はじめにこれだけ思う存分暴れてしまうと、この次にどうするのかと心配にならなくもない。2年後の委嘱作品に期待したい。

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羽鳥 公士郎