二〇一六年 長月 卅日 金曜日■ 匹と頭 [/language]この記事は書かれてから1年以上経過しています。内容が古くなっている可能性があります。コメントの受付は終了しました。 日本語は助数詞が豊富だ。多すぎて、ネイティブの日本語話者でも使いこなすのが難しい。 中でも使い分けが難しいものに「匹」と「頭」がある。大まかには、小さな動物に「匹」を使い、大きな動物に「頭」を使う。ところが、昆虫は小さいのに「頭」を使うのが正しいとされる。また、犬やワニなど、どちらを使えばよいか迷うことも多い。 「匹」と「頭」の意外なルーツによると、もともとは「匹」が動物一般に使われており、「頭」は英語からの翻訳語として明治の終わり以降に使われるようになったそうだ。英語で、家畜や狩猟対象の動物などを数えるときに"20 head of cattle"などという(この場合、headは複数扱い)。これが学術論文で使われていたのを、日本語で文字通り「頭」と訳したようだ。 昆虫については、チョウの数え方によると、英米圏で動物園の動物一般に"head"を使うようになり、それがやはり学術論文で「頭」と訳されたそうだ。 大型動物の「頭」は学問の世界を越えて一般に定着したのに、昆虫の「頭」は一般にはそれほど広まっていないのも不思議な話だ。昆虫学より畜産学の方が生活と密着しているということなのだろうか。 |
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