blog.鶯梭庵

二〇〇五年 霜月 十六日 水曜日

19世紀ヨーロッパの折り紙

折紙探偵団名古屋コンベンションで、フレーベルの折り紙: 19世紀の幼児教育における折り紙の実践と題して講義をした。去年学芸大学でおこなった講義の短縮版だったのだが、今回あらためて Kraus-Boelte, Maria and Kraus, John The Kindergarden Guide (1877) Vol. 2 The Occupations の復刻版を読んでいたら、面白いことに気がついた。

まず、折り方が紹介されている作品を実際に折ってみると、畳まれている紙をひっくり返したり引き出したりする工程がいくつかあって、市販の折り紙用紙で破れないように折るのはとても難しい。おそらく当時は、現在の折り紙用紙よりも質の良い紙を使っていたのだろう。

折り紙用紙といえば、この復刻版の巻末に、1896年の幼稚園用具のカタログ Steiger's Kindergarten Catalogue が収録されており、ここに折り紙用紙が含まれている。4インチ四方の正方形が最も一般的だったようだが、長方形や三角形、円形の紙も販売されていた。4インチ四方の単色折り紙は、100枚組みが155色もそろっている。このカタログは第6版だから、折り紙用紙がアメリカで市販されたのは、もう少し前にさかのぼるだろう。

また、この本に Chinese Junk として掲載されている作品は、日本の宝船に似ているが、重要な違いがある。宝船は、はじめに座布団折りをしてから風車基本形を作り、そこから折ってゆくが、Chinese Junk は、座布団折りをせずに、風車基本形から作る。この Chinese Junk は、私はこれまで見たことがなかった。なお、この本には宝船に似た作品もあって、Gondola と呼ばれている。

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