二〇一一年 師走 十日 土曜日■ 「折り紙公理」の形式化・その5 [/origami]その4から続く。 ここまでのところ、次の公理からなる公理系を作ったことになる。 ・∀a∀b∀l(F(l, a, b)→F(l, b, a)) ・∀a∀b(∃c∃l(F(l, a, c)∧F(l, b, c))→(a = b)) ・∀a∀b(∃c∃d∃l(¬(c = d)∧F(l, a, c)∧F(l, b, d))→¬(a = b)) ・∀l∀m∀n(∃a∃b∃c∃d(¬(a = b)∧F(l, a, a)∧F(l, b, b)∧F(m, c, c)∧F(m, d, d)∧F(n, a, c)∧F(n, b, d))→∀e∃f((F(l, e, e))→((F(m, f, f)∧F(n, e, f)))) ・∀l∀m(∃n(P(l, n)∧P(m, n))∨∃a(F(l, a, a)∧F(m, a, a))) ・∀a∀b∀l∀m(∃n(P(l, n)∧P(m, n))∨∃c∃d∃n(F(n, a, c)∧F(l, c, c)∧F(n, b, d)∧F(m, d, d))) さて、公理系と言って多くの人が真っ先に思い浮かべるのは、ユークリッドの公理系だろう。ユークリッドは、『原論』で次の5つの公理を挙げた。 1. 任意の点から任意の点に、直線を引くことができる。 2. 与えられた有限の直線を、どちらの側にもいくらでも延長できる。 3. 任意の点を中心とする、任意の距離の円を描くことができる。 4. すべての直角は互いに等しい。 5. ある直線が他の2直線に交わり、その1つの側の内角の和が2直角より小さいとき、それらの2直線をその側に延長すると、いつかは交わる。 この中でもっとも有名な第5公理は、実質的には「2本の直線は、どちらももう1本の直線に垂直であるか、1点で交わるかのどちらかだ」ということを言っている。したがって、上に挙げた公理のうちの1つ ・∀l∀m(∃n(P(l, n)∧P(m, n))∨∃a(F(l, a, a)∧F(m, a, a))) とよく似ている。この公理は「2本の直線は、どちらももう1本の直線に垂直であるか、交わるかのどちらかだ」と言っているので、「交わるときは交点は1つだけだ」ということをつけ加えてやれば、実質的に同じになる。実際に加えてみると、 ・∀l∀m(∃n(P(l, n)∧P(m, n))∨∃a(F(l, a, a)∧F(m, a, a)∧∀b((F(l, b, b)∧F(m, b, b))→(a = b)))) となる。これで、ユークリッドの第5公理に相当する公理を、述語論理の記号と等号、そして折り紙述語 F(x, y, z) だけを使って書けたわけだ。 その6に続く。 |
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