blog.鶯梭庵

二〇一一年 師走 三日 土曜日

「折り紙公理」の形式化・その4 [/origami]

その3から続く。

これで、7つの折り方のうち5つまでが出そろったことになる。残る2つは、公理と F(l, b, b)∧F(m, a, a) とから導きたいが、そのためには公理を追加する必要がある。以下の公理を追加しよう。


・∀a∀b∀l(F(l, a, b)→F(l, b, a))

・∀a∀b(∃c∃l(F(l, a, c)∧F(l, b, c))→(a = b))

・∀a∀b(∃c∃d∃l(¬(c = d)∧F(l, a, c)∧F(l, b, d))→¬(a = b))

・∀l∀m∀n(∃a∃b∃c∃d(¬(a = b)∧F(l, a, a)∧F(l, b, b)∧F(m, c, c)∧F(m, d, d)∧F(n, a, c)∧F(n, b, d))→∀e∃f((F(l, e, e))→((F(m, f, f)∧F(n, e, f))))


それぞれ、


・直線 l で折ったときに点 a と点 b が重なるならば、直線 l で折ったときに点 b と点 a が重なる(対称性)。

・直線 l で折ったときに、点 a と点 c が重なり、かつ点 b と点 c が重なるならば、点 a と点 b は等しい(1つの点が複数の点と重なることはない)。

・直線 l で折ったときに、点 a と点 c が重なり、点 b が点 c とは異なる点 d と重なるならば、点 a と点 b は異なる(複数の点が1つの点と重なることはない)。

・直線 n で折ったとき、直線 l 上の2点 a と b が直線 m 上の2点 c と d にそれぞれ重なるとき、直線 l 上の任意の点が直線 m 上のいずれかの点に重なる(直線上の2点を合わせて折れば、直線全体が合う)。


を意味する。


すると、


∀a∀b∀l∀m(∃n(P(l, n)∧P(m, n))∨∃c∃d∃n(F(n, a, c)∧F(l, c, c)∧F(n, b, d)∧F(m, d, d)))


から、a、b、l、m を所与とし、F(l, b, b)∧F(m, a, a) を仮定すると、


∃n(P(l, n)∧P(m, n)∧F(l, b, b)∧F(m, a, a))∨∃c∃d∃n(F(n, a, c)∧F(l, c, c)∧F(n, b, d)∧F(m, d, d)∧F(l, b, b)∧F(m, a, a))


が言え、(a = d)∨¬(a = d) であることから、


∃n(P(l, n)∧P(m, n))∨∃n(F(n, a, b))∨∃n∀e∃f((F(l, e, e))→((F(m, f, f)∧F(n, e, f))))


が言える(追加した公理によって (a = d)→(b = c) が成り立つことに注意)。これは結局、「2つの点 a、b と平行でない2本の直線 l、m があり、a が m の上にあり、b が l の上にあるとき、『a を l の上に乗せ、b を m の上に乗せるように折る』という折り方は、『2つの点を合わせるように折る』か『2本の直線を合わせるように折る』のいずれかである」ということだ。

その5に続く。

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羽鳥 公士郎