二〇〇五年 文月 卅一日 日曜日■ またりさま全公案連続演奏会 @ 門仲天井ホール [/music]監修(作曲)は三輪眞弘、演奏は方法マシン。 曲の解説は三輪眞弘のウェブサイト(なぜ楽々波なのかはよく分からない。八橋の方がよさげ)および方法マシンのウェブサイトで。会場は、比較的小さかったとはいえ人がぎっしり埋まり、演奏中は空調も止められていた(空調の音が邪魔に感じられるコンサートがいかに多いことか!)ので、熱気に満ちていた。 コンピュータでやれば簡単なものを、生身の人間で「逆シュミレーション」するので、奏者は訓練によって『またりさま』を演奏できる身体を手に入れなければならない。そして、演奏時にも非常な集中力が要求される。実際、今回の演奏では、ミスがなければ10分で終わるはずのところが、何度かミスがあってやり直したため、30分かかった。 これは一見するとばかげたことのように思えるかもしれないが、ピアノにせよバイオリンにせよ、あるいは演劇にせよスポーツにせよ、およそ文化というものはそういうものだ。訓練された身体の極限のパフォーマンスを見るとき、観衆は奏者と一体となったように感じる。そこに文化が生まれるのだ。 私も、この演奏を聞いていたときは、まるで自分が演奏に加わっているかのように錯覚した。今までに聞いたコンサートでは感じたことのない緊張感があって、1つの公案が終わるたびにため息が出た。もちろん、実際に演奏するときの緊張感はまた別物なのだろうが。 この作品は、アルゴリズムが極めて単純なため、音楽が音楽でなくなってしまう限界点、逆にいえば、音楽というものが生まれる瞬間を垣間見せていたように思う。 公演の後には、中沢新一、沼野雄司、三輪眞弘、鶴見幸代、足立智美によるアフタートークがあった。これも興味深かった。 |