blog.鶯梭庵

二〇〇八年 葉月 十二日 火曜日

Apple、2つの大失態 [/mac]

最近、Apple は2つの大失態をしでかした。1つは .Mac から MobileMe への移行がうまくゆかなかったこと、もう1つは DNS キャッシュポイズニング脆弱性への対処が遅れたことだ。

MobileMe は、iPhone 3G などと同時に、7月11日にサービスを開始するはずだった。ところが、そのスケジュールには間に合わず、1日程度遅れて動き始めた。それでも不安定な動作が続き、一部のユーザーはしばらくのあいだ電子メールにアクセスできず、さらには一部の電子メールメッセージが永久に失われてしまった。そのような大問題にもかかわらず、ユーザーへの説明は十分とは言えない。

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複数の DNS サーバに DNS キャッシュポイズニングの脆弱性があるという報告が7月8日にあり、7月上旬には多くのベンダーがパッチを提供した。しかし、Mac OS X にも DNS サーバが含まれているにもかかわらず、Apple の対応は遅れた。そうこうしているうちに、7月22日に詳細な情報が誤って流出し、24日にはこの脆弱性を利用したマルウェアが確認された。その時点で Mac OS X は無防備であり、Apple がパッチを提供したのは8月に入ってからだった。それも、クライアント OS については不十分らしい。

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竹内一正著『スティーブ・ジョブズ 神の交渉力』を読んだ上で、この原因を推測するなら、Jobs が現場のリソースを全く考慮せずに iPhone 3G の発売日を決め、オーバーワークになっていたのだろう。Jobs は、初代マッキントッシュを生み出したときから、現場に無理な要求をしてきたそうだ。それに対する返事は "Yes" か "Quit" か、つまり、言われた通りにやるか、それとも Apple を辞めるかだ。

それがうまくゆくこともある。うまくいった場合、世の中を変えるすばらしい製品が生まれる。しかし今回は、全く新しい製品を生み出したわけではない。すでにある製品やサービスのアップデートだ。そのようなときには、Jobs のやり方は合わないのだろう。竹内も「アップルは、世の中にないバージョン 1.0 づくりに全エネルギーを費やしてしまう。」と書いている。だからと言って、有料サービスのユーザーの電子メールをなくしてしまったり、インターネットユーザーを危険にさらしたりすることの言い訳にはならない。

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羽鳥 公士郎