二〇〇八年 長月 十一日 木曜日■ 今さらながら、Chrome について [/links]最近のウェブ関係の話題をさらってしまった感のある Chrome だが、私には大いに不満がある。これが私の使うメインのブラウザになることは、少なくとも近い将来はないだろう。 第1に、私にとってブラウザに必須の機能は、広告ブロック機能である。Firefox の Adblock Plus ようにアドオンとしてでもよいし、Safari や Camino のように CSS を読み込む形でもよいが、いずれにしても見たくない広告は消したい。しかし、Chrome に広告ブロック機能が搭載されるとは考えにくい。ウェブ広告こそ、Google の最大にしてほとんど唯一の収入源だからだ。 第2に、Mac 版がまだない。そのうち Mac 版も登場するだろうが、私が心配していることがある。Windows 版の Chrome を見ると、ユーザーインタフェースが標準的な Windows ソフトからかけ離れている。これを Mac 版でもやられたのではたまらない。Mac の使いやすさの大きな要因は、アプリケーションのあいだでユーザーインタフェースに統一がとれていることにある。たとえば、たいていのソフトウェアで、Command + Shift + H を押せばホーム画面が表示される。Mac 版の Chrome が、Windows 版と同じように独自のインタフェースを押し付けるなら、私は使わないまでだ。 実際のところ、独自のユーザーインタフェースを持っているということは、Chrome はウェブページを見るためのブラウザなんかではないのである。これはウェブアプリケーションのためのプラットフォームだ。ユーザーインタフェースは個々のウェブアプリケーションが持つので、Chrome には最小限のインタフェースしかないのである。 しかし、これは、私が Chrome を使わない第3の理由にもつながる。デスクトップアプリケーションを完全に置き換えるほどに成熟したウェブアプリケーションはまだ少ない。Gmail は確かによくできていて、私もメインのメーラーとして使っているし、Google ドキュメントは Office 書類のビューアーとしては十分使えるが、やはり、長い文章を書いたり、画像やムービーを作成したりということになれば、デスクトップアプリケーションはまだまだ手放せない。 Chrome がプラットフォームだとしたら、問題は、その上でどんなアプリケーションが動くのかということだ。Chrome の対抗馬は、IE や Safari でなく、Windows や Macintosh なのだ。そう考えると、現状の Chrome では、アプリケーションの数も少ないし、それぞれの機能も貧弱だ。将来的には面白くなるかもしれないが、今は Chrome を使う理由がない。 |