blog.鶯梭庵

二〇〇七年 卯月 廿一日 土曜日

アートとデザイン・その2 [/links]

以前、アートとデザインの違いについて書いたことがある。デザインは社会の認識の語彙に収まっているが、芸術はそれをはずれると述べた。

それをもう少し敷衍すれば、こう言うことができるだろう。デザイン作品は、デザイナーが伝えようとしたことしか語ることができないが、芸術作品は、アーティストが伝えようとしたこと以上のことを語ることができる。言い換えれば、デザインはコミュニケーションの道具だが、芸術作品はコミュニケーションの主体だ。

芸術作品に作者の意図を読み取ろうとすると、分からなくなる。芸術作品は作者の意図を語っているわけではないからだ。芸術作品は自分自身の意図を語っている。芸術作品の鑑賞とは、作品の意図を読み取ることだ。

芸術作品は、アーティストの認識の語彙をはみ出すがゆえに、社会の認識の語彙をもはみ出す。しかし、それゆえに、社会を超え、時代を超えて生き続ける。

現在の美術史のパラダイムでは、芸術作品を、ある社会の中で作られ、ある社会の中で受容されるものとして捉えているように思われる。もちろん芸術にはそういう側面もあるのだが、それだけでは、芸術作品の生命を捉えることができないように思う。

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羽鳥 公士郎