blog.鶯梭庵

二〇〇九年 神無月 廿八日 水曜日

out-Microsoft Microsoft [/language]

先日、"out-Microsoft Microsoft" という表現を見かけた。これは、シェイクスピアの『ハムレット』に出てくる "out-Herod Herod" をもじったものだ。

Herod とは、紀元前 37 年から 4 年まで在位したユダヤ王ヘロデのこと。「大王」"the Great" とも呼ばれる。聖書によると、ヘロデはイエスの成長をおそれ、ベツレヘムのすべての幼児を殺害させた。これが史実であるかどうかはわからないが、中世の演劇の中ではヘロデは残虐な暴君として描かれていた。

ある言葉に "out-" をつけると、「〜よりすぐれて」という意味になることがある。すると、"out-Herod" で「ヘロデをしのぐ」という意味になるはずだが、ヘロデが暴虐の象徴であったため、この言葉は「暴虐さにおいて〜をしのぐ」という意味で使われるようになった。そうなると、目的語が必要になるので、"out-Herod Herod" として「ヘロデよりも暴虐だ」という意味になる。

では、"out-Microsoft Microsoft" はどう訳せばよいだろうか。「Microsoft よりも○○だ」と訳そうにも、「○○」の部分に何を入れてよいか(何となく分かる気もするが)分からない。穏当な訳なら「Microsoft と同じやり方をして Microsoft をしのぐ」といったところだろう。「Microsoft よりも Microsoft らしくなる」としてもよいと思うが、皮肉が利き過ぎるかもしれない。

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羽鳥 公士郎